Walgreensはシカゴを拠点とする薬局小売チェーンで、Alliance Bootsと合併して2014年にグローバル企業となりました。9,000以上の拠点を持つアメリカ第2位の薬局として、同社はカスタマーエクスペリエンスを向上させる革新的な方法を継続的に模索しています。
必要不可欠な小売業者として、Walgreensは、損失分野を発見し解決するため、既存のレポートベースのソリューションよりも強力な分析ソリューションを必要としていました。
Walgreens
米国イリノイ州ディアフィールド
小売
Walgreen Company(Walgreensとして事業を展開)はシカゴを拠点とする薬局小売店チェーンです。2014年にスイス/英国のAlliance Bootsと合併して持株会社Walgreens Boots Allianceを設立し、グローバルチェーン店となりました。50州すべてに9,000以上の店舗を持つWalgreensは、アメリカで2番目に大きなドラッグストアチェーンです。Walgreensは健康商品や処方薬の小売業者として非常に重要な立場にあるため、同社の資産保護(AP)チームは、顧客に最適なエクスペリエンスを提供する新しく革新的な方法を常に模索しています。
Walgreensは健康商品や処方薬の小売業者として非常に重要な立場にあるため、同社の資産保護(AP)チームは、顧客に最適なエクスペリエンスを提供する新しく革新的な方法を常に模索しています。
WalgreensのAP部門は、長い間、大部分の組織データの管理者として、分析できるようになるまでデータを保存する役割を担っていました。従来、レポートベースの分析ソリューションでは、生データが紙の分厚いレポートで提供されていました。各レポートは、APチームの担当者によって処理されるか、店舗に回され、店舗の従業員が読んで解釈していました。
このプロセスは、いくつかの理由から非常に非効率的でした。まず、紙のレポートは、長さが十数ページから数十ページに及ぶことがありました。通常データを扱わない従業員は、特定のレポートで有用な情報を見つけるのに数日かかる場合もあり、その頃には、ある問題に起因する損失が急激に増加している可能性がありました。さらに、レポートに偏りがあったり、レポートの解釈を誤ったりする可能性もありました。店長が重要なインサイトを軽視し、発見された問題が認識されなかったり、インサイトに気付いても、誤った対応策を取ったりすることも珍しくありませんでした。
Walgreens APは、発生した内容とその対処方法を簡単な言葉で正確に説明できる新しい分析ソリューションを見つけるべく調査を開始しました。
調査の結果、Walgreens APは、2017年にWorkcloud Actionable Intelligence(旧Zebra Prescriptive Analytics)に出会いました。その直感的な操作、タイムリーな分析(リアルタイムに問題を監視)、実行力(発生している内容と次に取るべき行動を従業員に提供)は、同社の興味を引くものでした。
Walgreensは、最初に、Workcloud Actionable Intelligenceを比較的小さな規模で導入し、APツールに限定して運用しました。改善の機会、主に不正やその他の悪意に基づいた損失は、現場のAPチームと地区のAPマネージャーに送付され、調査とフォローアップが行われました。
最初の数年間におけるWalgreensの機会は合計数百万ドルの価値となり、この結果を受けてAPチームはソリューションの使用拡大を開始しました。2018年から2019年にかけて、Walgreens APはWorkcloud Actionable Intelligenceを活用して、取引制限や在庫回転率など、さまざまなポリシーと手順の遵守状況の監視を開始しました。
さらなる成果は、WalgreensがWorkcloud Actionable Intelligence Inventory Moduleを採用した後にもたらされました。これによって、APに加えて、店舗運営チームも初めて、在庫のギャップ、「架空在庫」(誤って在庫ありと記載されているもの)、過剰な廃棄などの商品関連の問題を特定して対処できるようになりました。
このように従業員に新しいツールを提供した結果を受けて、Walgreensは全店舗にソリューションを展開するプロセスを開始しました。現在では、APや店舗運営チームから薬局の店長や在庫スペシャリストまで、20,000人を超えるWalgreensの従業員がWorkcloud Actionable Intelligenceを使用しています。
Workcloud Actionable Intelligenceの力により、Walgreensは数百万ドルの収益を回復しました。同社がこのソリューションを使用して、廃棄率、非効率性、その他の懸念事項を特定して解決している方法をいくつかご紹介します。
高い廃棄率
小売業ではある程度の廃棄は避けられませんが、Walgreensは廃棄率をもっとしっかり監視したいと考えていました。可視性があれば、関連するすべてのポリシーに準拠したうえで、廃棄率を最小限に縮小することができます。そこで、同社はZebraのカスタマーサクセスチームの協力のもと、各店舗の廃棄と売上の比率を分析するアルゴリズムを導入しました。比率が過剰であることが判明した場合、該当する店舗の店長に通知を送付し、廃棄率を適正な範囲に抑えるために不可欠な適切な値下げポリシーの遵守状況を監査するよう指示します。最終的に、このアルゴリズムによって値下げの遵守違反が数多く明らかとなり、そのすべてに対処した結果、廃棄率が27%に削減されました。
未成年者への酒類・タバコの販売
Walgreensは、レジスタッフが未成年の顧客に酒類やタバコを販売するという既知の問題に対処するためにWorkcloud Actionable Intelligenceを使用しました。3つのZebraテクノロジー
Zebraのカスタマーサクセスチームは、規制対象薬物の販売に際して身分証明書を確認する段階で同じ誕生日が繰り返し入力された場合にフラグを立てるアルゴリズムの作成においてWalgreensを支援しました。「基本的に、このアラートは、レジスタッフが同じ誕生日を何度も繰り返し入力したときに、そのレジススタッフをピンポイントで特定します」とWalgreensの資産保護ソリューション担当シニアマネージャーであるTim Bailey氏は述べています。「同じ誕生日の顧客が何人も来店する可能性は高くありません。[レジスタッフが]酒類やタバコの販売時に身分証明書を正しく確認していないというパターンに気付くことができます」
Walgreens APは、導入から24時間以内にこの基準に該当するレジスタッフを500人以上特定し、迅速に是正措置を講じました。このアルゴリズムはその後も使用され、Walgreensが義務を怠っているチームメンバーを特定して対処するのに今も役立っています。
出荷済みだが未販売
Walgreensは、「出荷済みだが未販売」の商品を監視するアルゴリズムも導入しました。「出荷済みだが未販売」とは、特定の店舗に出荷済みと表示されているものの、何らかの理由で販売されていない商品を指します。このような状況は、配送ミス、盗難、配送から棚の補充までの遅延、商品の置き間違いなど、さまざまな理由で発生する可能性があります。一方で、「出荷済みだが未販売」アラートは、ミスやプロセスの不具合を示しているのではなく、対象の商品に対する需要がないだけで、今後の発注をキャンセルする必要があることを示しているだけの場合もあります。
根本原因を問わず、「出荷済みだが未販売」の基準に当てはまる商品は、ただちに調査する必要があります。このアルゴリズムによって、Walgreensは、さまざまな原因によって販売されていない年間数百万ドル相当の商品を特定し、これに対処しています。
COVID-19コンプライアンス
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が発生したとき、WalgreensはZebraのカスタマーサクセスチームの協力のもと、従業員が安全・衛生手順を遵守していることを確認する新たな方法を開発しました。販売モジュールは、この目的にきわめて有益であることが証明されました。成功を収めたアプローチの一つが、レジスタッフが会計と会計の間に費やす時間を分析し、パンデミック前のベンチマークと比較する方法です。パフォーマンスレベルがパンデミック前よりも実際に高かったレジスタッフには、APまたは店舗運営チームによる遵守確認のフラグが立てられました。
このロジックは、次の顧客に対応する前にレジを清掃する、顧客に6フィートの間隔をあけて立つように求めるなどの新しいポリシーにより、レジスタッフの生産性が低下するであろうという予想に基づいています。レジスタッフがパンデミック前の生産性レベルを満たしているか、それを上回っている場合、これらのポリシーを遵守していない可能性があります。多くのスタッフにフラグが立てられ、遵守違反が確認されました。必要に応じて是正措置が実施されました。
COVID-19コンプライアンスに関する販売モジュールは、トイレットペーパーや消毒剤などの需要のある商品の盗難を特定したり、購入数量制限を適用したりなど、その他の用途でも活用されました。
掛け戻しの機会の喪失
Walgreensは出版物サプライヤーとの契約に基づき、Walgreensの店舗で売れ残ったペーパーバック本を掛け戻しで返品することができます。これはWalgreensの従業員が行う必要がありますが、どの出版物が掛け戻しの対象で、どの出版物が対象外かを判断するために、複数の時間枠とレポートを絶えず調整しなければならないため、かなり複雑なプロセスです。
Walgreensは非常に多くの本を購入しているため、帳簿上の掛け戻しの金額は数十万ドル相当になる場合があります。そのため、Walgreensは、出版物の掛け戻し処理をしていない店舗を識別できるパターンを依頼しました。Zebraのカスタマーサクセスチームは、店舗で60日間掛け戻しがない場合にアラートを発行するパターンを開発しました。
このパターンは大成功を収めており、毎年数十万ドルの掛け戻しの機会喪失が指摘されています。期日が到来したものについてWalgreensが返金を受けられるように、再トレーニングやその他の適切な対策が進められています。
規定の時間に開店/閉店しなかった場合に対応
店舗を時間通りに開店または閉店できない場合(早まる場合でも遅れる場合でも)、特にWalgreensのような小売業者にとっては、単なる収益の損失よりもはるかに悲惨な結果になる可能性があります。
これは、Walgreensが人の健康に不可欠な商品を数多く取り扱っているためです。こうした在庫の性質上、顧客が必要とする時に店舗が営業していることが非常に重要となります。
Walgreensは、2つのWorkcloud Actionable Intelligenceアルゴリズムを導入しています。このアルゴリズムは、店舗が掲示されている営業時間外に開店または閉店したときにフラグを立てます。導入以降、以下のような数多くのケースが検出されました。
この2つのアルゴリズムは、店舗の開店や閉店時間の不正による数千ドルの潜在的な収益の損失や不当な賃金について、継続的にフラグを立てています。
今後の展望
Walgreensは、今後も長期にわたって、減耗を特定し、収益の増加を図り、リスクを最小限に抑え、従業員の能力を高め、カスタマーエクスペリエンスを最適化するために、Zebraを活用していきます。